カテゴリ:茶道( 48 )

譲畔 ~白と緑茶会~

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3年越しの約束の茶事。
姫路駅から岡山県の新見駅までを結ぶローカル線である姫新線に揺られ
無人の駅「太市」に降り立つ。

駅からの風景はのどかで、遠くの山並みには新緑が萌え、休耕地の畑にはスカンポが高く伸びていました。
耕した土は五月の日差しにからからと乾き、ふっくらと膨らんだ空気が
時折吹く風と一緒に後ろから追い越していく。


五月の新緑の時に必ず、という約束を毎年毎年延長してくださり、
一客一亭のおもてなしをしてくださったご亭主が用意してくださったこの日のお軸は


『譲畔』(あぜをゆずる)


『終身、みちを譲ずるも、百歩をまげず。終身、あぜを譲ずるも、一段を失わず』
(終身譲路,不枉百歩;終身譲畔,不失一段)
意味は、『一生、道をゆずっても、たかだか百歩に過ぎない。一生畔をゆずっても、一段(いったん)に過ぎない』

現代風に言い直すと、『交通渋滞のなか、他の車に何度も追い越されても、100メーターも差がつかない。』という風にもいえましょう。
そして争いを避け、領地を譲る心根の大切さ。


爽やかなご亭主のお人柄そのままのお席でした。


******


この日は午前中、明石の和菓子教室に伺い、来月のお菓子を教わりました。
練りきりでこさえた「青梅」と、名越の祓でいただく「水無月」。

ご亭主のご家族様への手土産に持参しました。
お菓子とお皿が図らずも「白と緑」。
私もお菓子づくりに自信がもてたらおもてなしをしたいと思います。


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by haijikg7 | 2014-05-23 05:20 | 茶道 | Trackback | Comments(5)

聖夜~夜咄の茶事

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寒い寒い日に夜咄の茶事をしました。
お越しいただくお客様には道中寒い思いをしていただくのが気の毒ですが、
夜咄の醍醐味は寒さの中お越しいただいて温かいお茶でおもてなしをするところにあるように思います。



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日暮れるころにお客様が到来されます。
それは夕日の名残がすっかりなくなり、空が群青色に染まるころ。
昼間のざわめきが静まり、ご近所の夕餉も始まる時刻でしょうか。
露地に行燈を灯してお客様の足元を気遣います。




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亭主と正客が手燭を交わし、お客様が席入りを終えたころいよいよ外は寒く、暗くなります。
一方で席中ではお湯がころあいに煮え、お香がお客様の心を解きほぐし、
静かに主客の挨拶が交わされます。
席入り後間もない緊張感と、互いの日頃を思いやる温かな言葉が露地に漏れ聞こえます。
半東をしていると席中のことは道具を扱う小さな音と、
膝を繰るときや立ち座るときの衣擦れの音だけが頼りですが、
席入り後の主客の挨拶だけは露地から拝聴することができます。
それを聴きながら手桶の始末をし、露地を清め、懐石料理の準備に取り掛かります。



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温かな料理とお酒に合う肴を用意し、次に亭主が心をこめて練る濃茶のために季節のお菓子をお出しします。
この日は若い方々がお客様でしたので、亭主の趣向は「ホワイトクリスマス」でした。
私が準備したお菓子は「聖夜」。
山芋餡の柔らかいきんとん。
今降り積もったばかりの雪をとろりとしたきんとんで表してみました。

松風の湯相で濃茶を練る僅かな茶筅の音だけが聴こえる後座の始まりです。


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by haijikg7 | 2013-12-17 06:00 | 茶道 | Trackback | Comments(0)

名残り  ~遠州木槿~

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「名残り」
とても美しい響きを持った言葉だと思いませんか。
遡ると王朝時代からあった言葉だそうです。

茶の湯で「名残り」というと、昨年の秋に口封を切って茶臼で挽いて使い始めた葉茶が
茶壺の底に残り少なく寂しくなって来た、というこの季節をさすことが多いのですが
夏の太陽を一身に受けて毎日新たな花を次々につけ、
来る日も来る日も咲き誇った夏の花の代表である木槿達の蕾が徐々に小さくなり、
勢いを失いつつも懸命に咲いている姿、それも名残りと呼びたいような気がします。


表千家7代家元如心斎天然宗左居士は、今日の家元制度の基を作り出したので、
表千家「中興の祖」と呼ばれています。
お家元では、毎年9月13日に居士の遺徳を偲び「天然忌」が営まれます。
「天然忌」には、残月亭の床に画像に当る円相が掛けられ、
その前にお家元が季節の白い芙蓉を入れられ、お茶湯を供えられるそうです。

今を盛りに咲き誇る花ではなく、名残りの花を一輪そっと供える。


茶室において花は「季節感」をかもし出す直接的な役割ですが、
出始め、出盛りでなく名残りを添えることにより
短い命の花から生の喜び感じ取る教えがあるような気がします。




11月の口切りのころから活けられる椿の種類もたくさんありますが、
木槿も白、ピンク、一重、八重などたくさん種類があるようです。
京都では祇園守りと呼ばれる白い木槿が、東京では大徳寺と言われるというのも面白いですね。


真っ白いものは、遠州が好んだことから「遠州木槿」と呼ばれ、
利休の孫であり三千家の祖といわれる千宗旦が好んだものは「宗旦木槿」と呼ばれます。
宗旦木槿は、真っ白い花の中が赤く、底紅とも呼ばれます。




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(宗旦木槿 写真は表千家HPよりお借りしました)




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by haijikg7 | 2013-09-26 06:30 | 茶道 | Trackback | Comments(0)

追儺(ついな)

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今日は節分。
節分に除災招福のため豆を撒く行事は、追儺の変形したもの。
平安時代、宮中において大晦日に盛大に行われた悪鬼・疫病を追い払う行事だったという。
中国から日本に伝わったのは文武天皇の頃だったとか。


追儺(ついな)の行事は「鬼やらい」「鬼走り」「厄払い」「厄おとし」「厄神送り」等と俗に称せられ、
疫病などをもたらす悪い鬼を駆逐する行事をいいます。
我が国で、この追儺(ついな)の行事が行われたのは、文武天皇の慶雲三年(706)に
宮中で初めて営まれたことが「続日本紀」に書かれています。
その記事によりますと、慶雲三年には諸国に疫病が蔓延し多くの死者が出たので
大いに「おにやらい」したと記述されています。 
宮中では官職の者が鬼の姿をして災害や疫病などの災いに見立て、
また黄金の仮面に矛(ほこ)や盾(たて)を持った者が豆を撒きながら
悪魔悪鬼を追い払い新しい年を迎えたといいます。




『鬼は外 福は内』
ぷっくりと膨らんだお福さんの紅が可愛らしい上用饅頭で節分のお稽古。
「最近は豆菓子が少なくなりましたねぇ。」と師匠がしみじみと仰いました。
五色豆を懐紙に添えるとお福さんがほんの少し笑って頷いたような気がしました。
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by haijikg7 | 2013-02-03 22:56 | 茶道 | Trackback | Comments(4)

夜咄茶事

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闇に一筋の灯火。
僅かな灯りが闇のもつ美しさを照らし出し
たった一つの灯りの贅沢さを感じる。




招きたい人がいる。
訪ねたい人がいる。

一服の茶を通して心を通じ合わせる。
ただそれだけのひととき。


今年一番の冷え込みの夜。




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水さん風宿到村家
相見無言一盞茶

宗旦
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by haijikg7 | 2012-12-11 07:33 | 茶道 | Trackback | Comments(4)

夏の思い出 #3

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          「まさり草」

今年は朝茶事を何度かしたので
和菓子作りをちゃんとしようという気持ちにようやく(汗)なりました。
今までは本を見て、それなりにそれっぽく作っていたのですが
どうしても超えられないことがあって
ここはやはり「プロに教わろう」と腹を決めました。

以前本を見て、そしてちょこっと叔母に教わって
餡子を作ったのですが
それが思いのほか面白くて、でもとっても大変で
和菓子ってなんて愉しくて、そして大層なんだろうと思いました。

その思いをそのまんま封印していたのですが
もうちゃんと習ってしまおうと思ったのは
どうしても「花火」のお菓子ができなかったからです。

結局今年は納得できる花火のお菓子はできないままでした。
それでも試作をして、また教室に通って習っているうちに
当初の予定ではないものなのにちょっとしたヒラメキで別のお菓子ができたり
ちょっと今、和菓子作りの入り口に立って
その奥深さと面白さに戸惑いつつも
ワクワクしています。

今年の夏は今更ながら和菓子との出会い。
本当はこんなに長く茶道を習っているのに
和菓子が好きではなくて(告白)
これから和菓子を勉強していくうちに
自分自身が「好きだ!美味しい!」と思えるものを
いつか作りたいと思っています。


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そんなことを考えていたら
もう秋ですね。
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by haijikg7 | 2012-09-20 00:37 | 茶道 | Trackback | Comments(0)

朋あり遠方より来る

古い茶道仲間が訪ねてくれた
簡素な朝茶事でもてなす
20代30代を共に過ごした朋友
時間も空間も飛び越えていつもあの頃に戻ることができる
そんな彼女をお迎えする待ち合いに、なでしこ一輪
なでしこJAPANのように「最高の仲間と最高の舞台で」
一期一会の夏のひととき


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朋あり遠方より来る また愉しからずや
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by haijikg7 | 2012-08-14 19:30 | 茶道 | Trackback | Comments(4)

今日の蝉籠

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もうすぐ梅雨があけるのだろうか。
蒸し暑い日本の夏に涼を感じるしつらえを。

今日の蝉籠に早々の桔梗一輪。


花入れ
 蝉籠

 鷹の羽すすき
 桔梗
 あざみ
 つわぶき
 珍珠梅(ちんしばい)

珍珠梅とは七竈のこと。
白玉の蕾がしずくのように涼を添えてくれる。


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by haijikg7 | 2012-07-15 12:34 | 茶道 | Trackback | Comments(2)

蝉籠

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梅雨の晴れ間。
陽射しも厳しく、湿度も高く。
されど「夏は涼しきように」

茶道のお稽古で『花寄せ』。
大切に育てられたご丹精の花々を惜しげもなくご用意くださった先生と、
そしてその花たちに心から感謝して。

我が家の夏のしつらいに。


花入れ
 蝉籠


 姫檜扇(ひめひおうぎ)
 半夏至(はんげしょう)
 秋海棠(しゅうかいどう)

去年の蝉籠はコチラ
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by haijikg7 | 2012-07-11 12:22 | 茶道 | Trackback | Comments(0)

出し巻き茶会

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粗茶一服。
花を根付の竹花入れに生けて客の到来を待つ。

先日旅したハワイの花 ハイビスカス。
ほんの少し異国のエッセンスを愉しんでいただけるように、と。

むし養いに出汁巻き卵の準備をする。

拙い亭主の心ばかりのおもてなし。 
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by haijikg7 | 2012-06-18 08:11 | 茶道 | Trackback | Comments(4)