カテゴリ:本や映画や舞台や音楽のこと( 40 )

「タイピスト」

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'50年代のパリを舞台に可愛くて、スポ根で、カラフルで愉しい話が繰り広げられる映画。
たくさんのレトロ車がパリの街を走る姿が見たくって!
「これどうやって撮ったんだろう」と、何度も思いました(笑)

シネ・リーブル梅田。
大好きな映画館。




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by haijikg7 | 2013-09-17 05:30 | 本や映画や舞台や音楽のこと | Trackback | Comments(0)

猿之助!!

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元日から幕を開けた「壽初春大歌舞伎」。
猿之助改め二代目市川猿翁、
亀治郎改め四代目市川猿之助、
そして九代目市川中車(香川照之)という澤瀉屋3人の襲名披露公演。

昼の部、中車は襲名以来初めての古典「楼門五三桐(さんもんごさんのきり)」の石川五右衛門役。
豪華絢爛たる南禅寺三門を舞台に、親の敵である真柴久吉との対峙を描いた作品で、
久吉役の猿翁との初の父子共演が一番の愉しみだったが
残念なことに猿翁は病のため休演。
代役の猿之助との従兄弟競演が思いのほかの感銘だった。
「絶景かなーーーー!」
中車演じる五右衛門の台詞の朗誦。
代役とはいえ久吉役の猿之助との息もぴったりで胸のすくような舞台だった。


しかし。
終わってみればこの演目よりも、源九郎狐と静御前の道行を描いた
「吉野山」こそが昼の部の一番の見所だった、というのは嬉しい誤算だった!



チョンパ(「チョン」と拍子木が打たれると「パッ」と幕が落とされる)で浅黄の幕が下りると
そこは桜・桜・桜・・・見渡す限り満開の桜の吉野山。

静御前が義経から形見に渡された初音の鼓を打つと
スッポンから家来・佐藤忠信(実は源九郎狐)が現れる。

「ご両人!」と声がかかる静御前( 坂田藤十郎 )と居並ぶ源九郎狐(猿之助)の
優しく柔らかな表情、まさに怪し・麗し。

兄・頼朝から謀反の嫌疑をかけられ都落ちをしている義経が
後白河法皇より「 鼓を打て 」すなわち「 兄頼朝を打て 」との謎をかけられ下賜された初音の鼓。
その鼓を義経と思って大切にしている静御前。
実は鼓の皮にされた親狐を慕った子狐が奥州にいる佐藤忠信に化けて、静御前を守護している。 

二人は道行をして、義経の隠れ住む許へ向かっている。
愛妾として家来として義経を慕い、時に舞い鼓を打ちながら歩みを進める二人だが
時折現れる狐の本性の怪しげな忠信にぐいぐい引き込まれる。
源九郎狐と忠信の切り替えの自然さ、流暢さ。
それが幾度とそれとなく繰り返され、気づくと知らぬ間に心地好く
吉野山の幻想の世界に誘われてしまう。
猿之助、見事!

時に怪しく、時にユーモラスに、時に美しく、時にこの世のものとは思われぬ怖ろしげな
手の、足の、目の動きに釘付けであった。

義経はこの舞台に現れこそしないがその存在感は終始観客の意識の中にあり
それは紛れもなく愛妾・静御前と家来・佐藤忠信の恋慕の舞のなせる技ではあるが
「親を慕い人間に化けてついてくる子狐」の健気さ、未練、肉親の因果応報が
それを否応なく意識づけるからなのか。
いや、それさえも演じきる猿之助、まさしく怪しき歌舞伎役者!!

天晴れ!!!!
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by haijikg7 | 2013-01-25 03:59 | 本や映画や舞台や音楽のこと | Trackback | Comments(4)

ありがとうオリンピック!ありがとうユニオンジャック!ありがとう日本!!

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今年のオリンピック
2012London五輪

数々の競技で私たちを熱くさせてくれた。
勝って泣き、負けて泣き、泣いている人を観て泣いた。


オリンピックはいつも幼いころを思い出させてくれる。
大学在籍中にレスリングの選手だった叔父の耳は
盛り上がった瘤でつぶれていたっけ。
そんな叔父はプロレスを嫌っていて絶対にプロレス番組を観なかった。

洗濯して干してもなかなか乾かなかったもう一人の叔父の柔道着。

サッカーをしていた兄の太ももはいつも擦り傷だらけだった。

野球の指導者だった父はどんな時も選手よりも熱かった。
そんな家族の思い出も蘇る。



就職してから、なみやは国体でお出会いをいただいた日本ウェイトリフティング。
あのころの私はまだ20代で、写真班として仕事に就かせていただいた。
国体が出会いとなって選手と結婚した同僚もいたっけ。
懐かしい上司の顔を思い出し、交わした暑中見舞い。
メキシコ五輪銅メダリストの三宅義行氏にサインをしていただいて
「でもこの人って誰?」と言っていたら
「メキシコ五輪にはまだ生まれたなかったのか?」と上司に笑われたあの頃。
今もウェイトリフティングには格別の思いがある。
その競技で女性初の銀メダルという快挙。

そして開催前から日本の士気を高め続けてくれた男女サッカーチーム。
粘りの日本に魅せられた。
バレーボール、水泳、陸上、体操、柔道、レスリング、バトミントン、テニス・・・。
すべての選手と選手を支え続けてきた人々にありがとう。


たくさんの感動と勇気を本当にありがとう。
そしてお疲れ様でした。
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by haijikg7 | 2012-08-14 07:54 | 本や映画や舞台や音楽のこと | Trackback | Comments(0)

「風鈴」

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「風鈴」  杉山一平

かすかな風に
風鈴がなっている

目をつむると
神様 あなたが
汗した人のために
氷の浮かんだコップの
匙(さじ)をうごかしておられるのが
きこえます



  * * *


関西在住の詩人・杉山一平さんが97歳で亡くなられたのは
今年の春のことだったように記憶している。


氏がこの詩を詠まれたのがいつだったのか存じないのだけれど
今日のような暑い日に「暑い、暑い」と当たり前のことを嘆かずに
こんな美しい詩を詠まれたのだろうかと思うと
心から尊敬せずにはおれない。

ご冥福をお祈りしつつ、今一度この詩を心に刻みたい。
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by haijikg7 | 2012-07-30 19:10 | 本や映画や舞台や音楽のこと | Trackback | Comments(4)

梅雨明け

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梅雨明け。
明けたとたんに蝉の合唱が大きく聞こえた。
また夏がきたんだね。


梅雨が明けたら思い出す。
仲のよい友達3人で行ったライブ。
あの日も梅雨が明けたばかりの暑い夏だった。


だから。
梅雨が明けたらいつもこの曲を思い出す。

『メロディ』玉置浩二
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by haijikg7 | 2012-07-18 23:00 | 本や映画や舞台や音楽のこと | Trackback | Comments(2)

ドキュメンタリー映画『いのちの林檎』 ~私が息を吸える場所はどこ?~

久しぶりにドキュメンタリー映画を見ました。

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映画の名前は 『いのちの林檎』。
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by haijikg7 | 2012-06-28 22:00 | 本や映画や舞台や音楽のこと | Trackback | Comments(8)

映画『しあわせのパン』

水縞クン「ぼくのほしいものはひとつだけですから」
りえさん「なに?」

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パンカフェ 『マーニ』 は北海道 洞爺湖畔にある。(公式サイトはコチラ

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パンを焼く水縞クン、珈琲をいれてお料理を作るりえさんがいる。
建物の外にパンを焼く窯と、そのための薪がたくさん積まれていて
庭には季節の草花や野菜も少し栽培していて
バンダナを首に巻いた羊のゾーヴァがメェメェないている。
2階にはしばらく滞在したい人のための小さなお部屋がある。

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焼きたてのカンパーニュに美しくナイフを入れる水縞クン
銅の匙で珈琲豆を量って挽くりえさん
いつものお客達と、ご近所の仲間と、遠くからきたお客

夏野菜バーニャカウダー
ゆりねときのこの小さいコロッケ
かぼちゃのポタージュ
スペインオムレツ
ローストチキン
ダッチオーブンで煮込む冬野菜のポトフ
北欧に似た「外国感」漂う北海道のお料理の数々。
フードスタイリストの石森いずみさんのセンスが光る。


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また衣装も愉しい。
アイボリーのシャツに分厚い生地のたすき掛けエプロンでパンを焼く水縞クン
柔らかな鼠色のカーディガンをはおるりえさんは
小さなボタンがたくさんついたリネンのブラウスを着ている。
きなりに水色の縦じまのコットンシャツにロールアップしている黄土色のワークパンツ姿の水縞クン
藍色のエプロンドレスにクシュっとした砂色のブラウスのりえさんの足元は
革職人さんが手作りされたような質実剛健とした靴。
個人的に大好きなevam evaや、(買ったことはないけれど)ebagosの籐バッグなど
スタイリストである大野伃佑子さんの感性も素敵だった。

 
 * * *


スロウな時間とスロウな気持ち
温かで幸せで豊かな自然に溢れた映画と思いきや
どこか影を感じる空気が漂う。

その影とは黒くてどんよりしたものではなく
なにかしらすっきりしない、そう、おひさまを薄っすら隠すような薄曇り。
ちぎれながら流れる雲が時々太陽を隠してしまうような移ろいの影である。

「水縞クン」と「りえさん」
互いにそう呼び合う夫婦。
二人の過去は多く語られていないけれど
天涯孤独で生きることがどうしようもなくタイヘンだった東京のりえさんに
プロポーズした札幌の水縞クンが
「自分の好きなことを、好きな場所で、好きな人と」一緒にして過ごしたいんだと
洞爺湖畔の月浦という町に誘ったことが窺える。

二人はいつも穏やかに暮らしているのだけれど
いつも微笑みをたたえているのだけれど
ニコニコと笑っているのではない。
それはりえさんがお客にふと打ち明けるように漏らす

「私もね、無理して笑うこと あるんです」

という一言が雄弁に物語っている。
それを背中越しにパンをこねながら聞く水縞クンは空を見つめる。




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涼やかな夏の風に吹かれながらファーマーズマーケットに大きな籠を二人で持ってでかけ
秋には手袋をはめて栗拾いに行きオーブンで焼いてパン生地に混ぜ
雪深い原っぱを歩く時は、水縞クンがぎゅっぎゅっと新雪を踏みしめて
その足跡どおりにりえさんがそっとついてゆく。
そこにはゆるぎない信頼があり、優しさがある。

けれども二人は幸せの湯船につかってはいない。
何かが、決定的な何かが欠けてる。

丸い月を求めているのに、いつもどこか欠けている月のように。

それでもお客に
「こんなに美味しい珈琲がいつも飲めていいですね」
と言われると
「いいですよ」
と静かに微笑む水縞クン。
「こんなに素敵なところで暮らしていたらいいですよね」
と言われたら
「ええ、いいです」
とはにかむ水縞クン。

けれど水縞クンは静かに言う。
「ここの景色って、毎日変わりますよね。きれいなだけじゃないんです」と。


全体を通して優しく清々しい空気が流れているのに
幸福感がたっぷりつまっている映画ではない。

みんな月の満ち欠けのように毎日何か物足りなく感じながら生きている。
この映画のシンボルでもある「月」の波動が
言動や心に微妙に作用するところが実にいい。
長く光の影を落とす洞爺湖のさざ波と満月が墨色の映像となって語りかける。


水縞クンのメインテーマである「カンパニオ(仲間)」。
夫婦、恋人、家族、ご近所、友達。
いつも自分は一人ではなく、誰かと何かを分け合うことで
何かを膨らませている。
水縞クンが焼いた焼きたてのパンを二つにわるシーンが随所に登場し、
そのたびにパンから湯気が上がる。
自ずと笑みが浮かぶ人たち。

「わけあうたびに わかりあえる気がする」

映画の軸として食事をするシーンが多く登場する。
美味しそうな食べ物にも惹きつけられるが何よりも「食事を共にする」ことを
繰り返し描くことでわかりあっていくことの
ぎこちなさ、たどたどしさがたまらなくいい。

そしていつものお客にも、ご近所の仲間にも、遠くからのお客にも食事をふるまう二人が
映画の終盤で自分たちだけのために窓際のテーブルで食事をするシーンがある。

ホワイトアスパラとグリーンアスパラのコンソメ
揚げじゃがいものミルフィーユ
お豆の白パン

北海道の春の宵の薄暗さの中で
水縞クンがパンをわってりえさんに手渡す。

映画全編を通じて語られている「大切なものはひとつだけでいい」という物言わぬ観念が
ここで明確に言葉となって語られる。
さらりと、わからないぐらいにすんなりと。



Cafe「マーニ」に春が来る。
デッキで水縞クンの髪を切るりえさん
同じようにデッキで羊の毛を漉く水縞クン
去年となにもかわらない春である。
カップに薫り高い珈琲を注ぐりえさん
焼きたてのパンにナイフを入れる水縞クン



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2周年を迎えるCafe「マーニ」からのささやかな贈り物を二人でラッピングする。
周囲を癒しているようにみえる二人は本当は周囲に癒されている。
カンパニオ。

2年の歳月が二人にもたらしたものがある。

最後に初めて大声で叫ぶ水縞クン
いつもとは違うよそ行きのピンクのワンピース姿のりえさん


エンディングに矢野顕子さんと忌野清志郎さんによる歌がいつまでも余韻をひいた。
「ひとつだけ」という歌。


離れている時でも わたしのこと
忘れないでほしいの ねぇ おねがい
悲しい気分の時も わたしのこと
すぐに呼び出してほしいの ねぇ おねがい


どのシーンで泣くとか
どのシーンでグッとくるとかじゃなく
いつの間にか、のどの奥に小石が詰まったようになって
気が付いたら涙が溢れていた。

そんな映画『しあわせのパン』。
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by haijikg7 | 2012-02-21 21:00 | 本や映画や舞台や音楽のこと | Trackback | Comments(6)

ものすごくうるさくて ありえないほど近い

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今年にはいってまだ映画館に足を運んでいない。
自分が「観たい」という映画がなかったという理由が一番大きいけれど
録画したテレビ番組やオンデマンドで放映されている映画が充実していて
リビングシアター(要するにテレビ)で充分だというのも理由のひとつ。


「ものすごくうるさくて ありえないほど近い」というこの映画は
2月18日(土)に全国で公開される予定。

「9.11.に大好きな父を亡くした11歳のオスカー。
ある日、父のクローゼットから1本の鍵を見つけた彼は
それを父が残した最後のメッセージだと信じて
鍵穴を探すためにニューヨークの街に飛び出す。
オスカーがたどりついた真実とは・・・。」

前売りのチケットを購入して公開を待ちわびている。
私はニューヨークが好きなのだ。
トム・ハンクスが好きなのだ。
サンドラ・ブロックが好きなのだ。
「楽しみにしていて何が悪い?」と思って待ちわびているのだ。(誰も言ってないって)


けれどこの公開日(2月18日)には別の映画を観る予定。
待ちわびているにしては勝手なことをしますが、観るのは「しあわせのパン」。
前売りチケットをペアでいただいたので
大好きな大泉洋さんの俳優姿を愉しもうと思っています。

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好き好き、大泉洋さん(ここで告白)。
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by haijikg7 | 2012-02-17 23:00 | 本や映画や舞台や音楽のこと | Trackback | Comments(7)

ドアノーの愛したパリ

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師走の京都。
何必館で開催中の「ドアノーの愛したパリ」展へ足を運んだ。






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生涯に渡りパリとパリに生きる人々を撮影し続けたロベール・ドアノー。
「写真は創るものではなく、探すものだ」という彼の言葉通り
彼の足で探し出した被写体が、彼のまばたきと共に焼き付けられたような写真の数々。

「一瞬」を「永遠」に閉じ込めた作品。

物言わぬ被写体から、その背景にある生活のにおいや音や
愛憎までもが伝わってくるようである。



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「伝書鳩が地図を読むことを覚えたとしたら

きっと方向感覚を失ってしまうだろう。

自分にとって大事なことは、大きな好奇心をもって

パリの雑踏の中を自由に歩くことだ。」

(ROBERT DOISNEAU)





師走の京都。
人ごみの喧騒から一歩入ったところにいつもかわらぬ光庭。

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by haijikg7 | 2011-12-14 22:16 | 本や映画や舞台や音楽のこと | Trackback | Comments(4)

『蚕は天の虫』

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染織家・志村ふくみ著「色を奏でる」(筑摩書房)を読んでいる。
何度も何度も読んでいる。

その中に『蚕は天の虫』というエッセイがある。

白い馬と人間の娘の純愛伝説。
白い馬を愛おしく思う娘を案じて、遂に馬を殺してしまう父親。
冷たくなった白い馬を抱きかかえながら天に昇って行った娘。
二人の化身として残った虫は馬の顔をしていて、
大事に育てたら白い繭を作った。

今も、蚕は一頭、二頭とよばれるそうである。



繭から絹糸を紡ぎ、色を染め、布に織る技術にも感動するが、
その伝統工芸の中にいくつもの伝説があって、
日本人の工芸への執着と愛着を感じる。
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by haijikg7 | 2011-12-08 16:00 | 本や映画や舞台や音楽のこと | Trackback | Comments(2)