人気ブログランキング | 話題のタグを見る

玄猪包 -げんちょづつみ-

旧暦10月。
亥の月、亥の日、亥の刻にお餅をいただくと万病を除き、
また猪の多産にあやかって子孫繁栄する、という風習があるそうです。

残念ながら私の育った地域にはその風習がなかったのですが、
今も各地に「亥の子」という名で伝統行事が残っているとのこと。

日暮れ時に子ども達が藁縄を亥の子石につけてご近所を一軒一軒周り、
玄関先で石を搗(つ)いたり、手拍子や足踏みをして独特の囃子歌を歌うそうです。

私はこの季節にお茶席でいただく「亥の子餅」や、
十文字に紐をかけた小箱に銀杏を配した可愛らしい「玄猪包(げんちょづつみ)」というお道具から
「亥の子」の風習を学びました。

「亥の子」には
一の亥の子、二の亥の子、三の亥の子があり、
今年はそれぞれ11月2日が一、11月14日が二、
そして今日11月26日が三の亥の子の日とのこと。

また
  ・一の亥の子は菊としのぶ草
  ・二の亥の子は紅葉としのぶ草
  ・三の亥の子は銀杏としのぶ草
と、季節を追って意匠の変化をみせます。

むそう塾のクラスメイトのゆららさんは日本手ぬぐいをとても上手に装われます。
先日のむそう塾では可愛らしい銀杏模様の手ぬぐいをきりりと頭に巻いておられました。
それを拝見し「あぁ、亥の子の季節だなぁ」と私は感心してしまいました。

そこで昔から伝わる素朴な風習をイメージして母に「玄猪包」のお弁当を作ることにしました。


* * * * * * * * * * * * * * * 

亥の子のことを少し調べてみると、古くは中国から伝わった慣わしのようです。
この日に「大豆、小豆、ささげ、胡麻、栗、柿、糠」の七色のお餅を食べる伝統が
平安時代にわが国に伝わり、「白、赤、黄、栗、胡麻」の五色のお餅を作るようになりました。

私がお茶席でいただく亥の子餅は亥の子(=猪の子どもの瓜坊)にみせた形で
中のあんこが杏や栗や胡桃や松の実が刻んで入っているものです。
伝わったことが、いろいろに変化をみせていて、とても面白いと思いました。

* * * * * * * * * * * * * * * 



さて、亥の子について調べたり、献立を考えているととてもいいアイデアを思いつきました。

いつも不良娘は母を放って仕事をしたり、遊びにいったり、お稽古事に通ったり、
「私ばかりすまないなぁ」と思いながら好き勝手にさせてもらっています。
母はあまり外出をしないので、食べるものでは私のお弁当ぐらいしか季節を感じることがありません。
それなら自宅で、母の親友と一緒にお弁当を食べてもらおうと思いました。
母と母の親友は高校1年生の時から、かれこれ55年以上のお付き合いです。
二人とも似た者同士でおっとりと地味な(笑)性格です。
今回母が元気になってくれたのも親友のお陰だと思います。
親友の叔母様に電話で「お弁当を一緒に食べてあげてください」とお願いすると
「ええよ。よばれるわ~。」と気持ちよいお返事をいただきました。

今朝、
ささやかながら母の病気平癒と親友の叔母様のご多幸をお祈りしてお赤飯を炊きました。
先に調べた亥の子の風習を少しずつ取り入れて献立を考えました。


玄猪包 -げんちょづつみ-_a0135439_8435850.jpg




* * * * * * * * * * * * * * * 

【玄猪包みのお弁当 お品書き】

  ・玄米ご飯(平和)
  ・玄米小豆ご飯(Tプラス)

  ・「白」 里芋の土佐煮
  ・「赤」 氷見産 寒ぶりの照り焼き 甘酢蓮根添え
  ・「黄」 蓬麩の柚子味噌田楽
  ・「栗」 錦秋(京まくろび製)
  ・「胡麻」 白和え(人参、モロッコいんげん、ひじき)

  ・お吸い物 きのこ三昧  柚子松葉 

* * * * * * * * * * * * * * * 

イレギュラーなお弁当ですから、公開ダメだしは、ヒカエマス・・・・^^;。
でも、見てくださったら嬉しい^^ (←添削をセコ技で4回にしようとしている?)






玄猪包 -げんちょづつみ-_a0135439_846645.jpg




         むそう塾での復習もプラス・・・玄猪包 -げんちょづつみ-_a0135439_85766.jpg玄猪包 -げんちょづつみ-_a0135439_8453886.jpg
by haijikg7 | 2009-11-26 08:15 | お弁当


<< ハートウォームクッキング 茜さす >>