今年も出来上がった栗の渋皮煮を遠く離れたところに住まうお友達に送りました。 たっぷりたっぷり作ったつもりでも、お送りできるものは人数にして割るとほんの少しずつです。 季節のものだし、お砂糖も使っているので一口ずつでいいかな、と勝手に判断して そして勝手に送り付けるのに、「ありがとう」 と到着のメールをいただくと 短い秋を共有できたような気持ちになって嬉しくなります。 さて、「どうやって作るの?」とお尋ねくださる方もおられて、 もう今年は栗もお終いなんだけれど、ちょっと写真多めでブログ記事にしてみようと思います。 長くなりそうなので、気になる人は続きをどうぞ・・・。 《栗の渋皮煮の作り方》 栗は、できれば大きなもので作ったほうがいいように思います。 こちらは中山栗。 サイズは3Lです。 3Lの栗は一つ約30g iphone5を引き合いにしてみました。 栗一つは、ちょうどiphone5の3分の1ぐらいの大きさです。 なぜ大きなものをお勧めするかというと、栗一つひとつをきれいにお掃除するときに 数が多いと本当に大変なのです。 できれば大きなものを数少なく作業するほうがよいと思います。 栗の鬼皮を剥いて渋皮だけにします。 鬼皮を剥くとき、気を付けなければいけないのは決して渋皮に傷をつけないということ。 渋皮に傷がつくとあとで煮るときに傷口が開いてきれいに仕上がりません。 ですからこのときに誤って渋皮を多めに剥いてしまって中の栗の黄色い実が見えたものは 潔くすっかり渋皮も剥いてしまって栗ごはんなどにすることをお勧めします。 渋皮煮にする栗の重量をこの時に計っておきます。 最後に炊くとき、実際の栗の6~7割のグラニュー糖を用意するので、必ず。 (渋皮にした栗) 大きなお鍋にたっぷりのお湯を沸かしてその熱湯に、渋皮だけになった栗を漬けます。 このとき、タンサンを一緒に。 栗1キロにつきタンサンは大匙2。 一晩このまんまにして翌日栗を洗いながら、筋や粗いごみを掃除します。 お鍋にさらのきれいな水を入れ、タンサン大匙1と栗も入れて中火にかけます。 沸騰してきたら弱火にして40分煮ます。 火を止めて自然に冷まします。 冷ましたら水道の下にお鍋ごと持っていき、きれいな水を上から注ぎ、お鍋のお水を替えます。 ざるにあげると栗が傷つきますから、お水を注いで循環させる感じです。 これがその写真。 ここからがちょっと大変ですが、一つひとつの栗をきれいに、きれいに磨いてゆきます。 さて、その磨きの工程です。 (流水を利用しながら丁寧にお掃除) 栗のお掃除は爪楊枝を使ってやります。 まずは、大きな筋を爪楊枝の先でほじくってするりと剥きます。 次に細い筋を取ってゆきます。 爪楊枝の先で栗を傷つけないように筋だけを掬うように。 丁寧に、丁寧に。 こんな風に筋の真ん中あたりから取ることもあれば、 次の写真のように栗の先のほうから筋の先端をほじくって掃除したり。 筋は取り残しのないようにすべてお掃除します。 筋だけでなく、栗の表面を爪楊枝の棒のところを使ってこそげるように磨きます。 そうすると栗の表面のアクが取れてゆきます。 栗の種類や出始め、出盛り、名残にもよりますが、一つの栗につき10分くらいかかるでしょうか。 ちょっと慣れてくると7分ぐらいでできるようになります。 こんな風に一つひとつの栗を掃除すると全く筋もアクもないツルツルの栗になります。 左がお掃除済、右の黒っぽいのがまだの栗です。 きれいになったら一日水にさらします。 さてこれで、作業の大変なところは山場を越えました。 お鍋に栗がすっかりかぶるくらいの水を入れて弱~中火にかけます。 沸騰したら鍋ごと水道の下に置き、上から静かに水を注ぎます。 20分ほどかけてお鍋のお湯が新しい水に変わったら再び火にかけます。 この作業を10回繰り返します。 回数を重ねるごとに栗がどんどん黒くなってゆき、反対に水が澄んでゆきます。 (この写真はお水を注いで替えているところです) 10回の下茹でですっかり栗は柔らかく、黒くなっています。 いよいよ本格的に煮る作業です。 お鍋に新しい水と栗の6~7割の分量のグラニュー糖を入れ煮立たせ、人肌に冷まします。 茹でた栗もそっと一つひとつをざるに上げ、人肌に冷ましておきます。 (ざるにあげて冷ました栗) 先のグラニュー糖のお鍋に栗を入れてゆき、紙蓋をして本格的に煮ます。 弱火で10~12時間。 途中火を止めてもいいけれど、また火を入れて合計10~12時間になるように煮ます。 煮てる間に湯が少なくなったらお湯を足して、必ず栗がかぶるように。 仕上げにコニャックを、香りと風味づけのためにほんの少し。 ①鬼皮を剥く ②熱湯につける(タンサン2) ③茹でる(タンサン1) ④栗の掃除 ⑤下茹で10回 ⑥本煮10~12時間 私の経験では2キロくらいずつやると一番効率的な気がします。 3キロをいっぺんにやろうとしてとっても大変でした。 1キロずつなら割合 楽に仕事が進みます。 ひと秋に4キロ。 一つ30gの栗なので120~130個の渋皮煮を作ります。 叔母は10キロ20キロと作る達人です。 (数にしたら300個とか600個!!) 冷蔵庫でクリスマス、お正月ぐらいまで十分に日持ちします。 が、私はいつも冬が来る前にお友達へのおすそ分けで殆どがなくなります。 あまり自分ではいただくことがないのですが、300個600個、と作る叔母もそう言っていますから、手作りってそんなものなのでしょうね。
by haijikg7
| 2014-10-18 18:14
| 日々のこと
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