茗荷

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実家には毎年たくさんの茗荷がなります。
私の子供のころからずーーっとです。
ですから我が家では外で茗荷を購入することがあまりなく
梅雨明けごろから必要な時にポキポキともぎっています。

毎年肥料をやるわけでもなく、除草するわけでもなく、
放ったらかしの茗荷エリア。

いつからあるのかと母に尋ねると
「お祖父さんが若いころから」と多少話を盛って(笑)答えていました。

(そんなはずないやろ?え?もしかしてあるの?そんなこと・・・。)
真偽のほどはわかりません。


ともかく。
我が家では素麺にも、お蕎麦にも、お刺身にも、和え物にも
夏は茗荷、なのです。



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それはそうと、「茗荷」ってなんで茗荷っていう字を書くのかを知ったのは落語の噺を聞いたからでした。


**********

大昔、お釈迦様がインドの祇園精舎でお弟子たちに説法をなさっていたころ。
お弟子のなかに周梨槃特(すりはんどく)という人がいました。
周梨槃特は兄と共にお釈迦さまの弟子になったものの、物覚えが極端に悪く、
自分の名前まで忘れてしまうため、お釈迦さまは首に名札を掛けさせました。

しかし名札を掛けたことさえも忘れてしまい、とうとう死ぬまで名前を覚え続けることができませんでした。

その後、死んだ周梨槃特の墓のまわりに見慣れない草が生えてきました。
そこで 「彼は自分の名前を荷なって苦労してきた」 ということで、「名」を「荷なう」ことから、名の字に艸(くさかんむり)を付けて、この草を茗荷(ミョウガ)と名付けました。

**********

というくだりが噺の中にでてくるのです。


この話には仏教的な教えもあります。


**********

周梨槃特(すりはんどく)は兄と共にお釈迦さまに弟子入りしましたが、
生まれつき大変物覚えが悪く、お経の一行も覚えられません。
自分のあまりの愚かさを嘆いた周梨槃特はお釈迦さまに破門を願い出ました。
しかしお釈迦さまは

「自らの愚かさに気付いたのだから、お前はもう愚か者ではない」

と諭されました。そして、箒とちり取りを与えて、

「周梨槃特よ、お前はお経を覚えなくてよい。その代わりに、これで毎日修行場の掃除をしなさい。
ただし、掃除のあいだ『塵を払え』と唱え続けなさい。これならなんとか覚えられるでしょう」

と教えられました。

周梨槃特はその日から毎日欠かさず掃除を続け、一心に 「塵を払え、塵を払え、・・・・・」 と唱え続けました。
そしてある時、お釈迦さまから

「塵には眼に見えるものと眼に見えないものとがあるのですよ」

と教えられて、真に払い除くべきものは自分の心の中の塵だ、と気付きます。

こうして周梨槃特は翻然と悟り、知的障害を乗り越えて仏心を体得した尊者となりました。
そして周梨槃特が死んだあと、墓のまわりに生えたミョウガは悟りのシンボルになりました。

***********



先日実家の庭を掃除しながら私はこの話を思い出していました。
掃除をしていると心が清められる思いがするのはこういうことなのだろうなと思います。
部屋や庭が雑然としていると汚れているのは部屋ばかりでなく、
心の塵が溜まるので物事が良い方向に向わないのでしょうね。


周梨槃特のように尊者となるほどに掃除は行き届きませんが、
食べ過ぎると「物忘れをする」と俗世で言われるこの茗荷。

少しいただいて暑さを忘れたいものです。


母に作るお惣菜にも、茗荷をあしらっていた夏も、もう暦の上ではおしまい。
今日は立秋。

けれどまだまだ暑い日が続きますね。


この夏作った茗荷を使ったお料理のひとこま。

穴子と胡瓜と枝豆の酢の物 
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アボカドと帆立貝柱の山葵醤油和え  茗荷を添えて
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by haijikg7 | 2013-08-08 23:30 | いただきます | Trackback | Comments(6)
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Commented by みーま at 2013-08-10 08:06 x
はいじさんおはようございます。

周梨槃特、レレレのおじさんのモデルなんだってさー。
Commented by Kaguyahime at 2013-08-10 20:53 x
周梨槃特はいいですよね~^^
大好きです!
でも、茗荷の話も
レレレのおじさんの話も
知りませんでした。
そうなんだ~^^
Commented by haijikg7 at 2013-08-13 00:14
みーまさん
こんにちは。
今朝はツイッターでみーまさんのお写真を拝見して島根のかの方同様、ひっくり返っていたはいじです。
(もちろん可愛過ぎて、です!)

レレレのおじさんが周梨槃特をモデルにしていることを思い出したのは、Facebookのこの記事のリンクにコメントをいただいてからでした。

そうそう、そうだった!ってアハ体験のように思い出しました。
そういえばレレレのおじさんの似顔絵もよく描いたのだぁ~♪
Commented by haijikg7 at 2013-08-13 00:15
Kaguyahimeさん
私は茗荷のことで周梨槃特を知りました。
>周梨槃特はいいですよね~^^
>大好きです!
とおっしゃるKaguyahimeさんほど私はなにも知らないと思います。
お恥ずかしい・・・。
こんど教えてくださいね。

Commented by Kaguyahime at 2013-08-16 08:49 x
はいじさん
>Kaguyahimeさんほど私はなにも知らないと思います。
>お恥ずかしい・・・。
>こんど教えてくださいね。

いえいえ
私もここに書いてある「エピソード」しか知りませんよ。(笑)
ただこのエピソードを知った時
人生で一番大切なことはお金や学歴などではなくて
「心を磨くこと」だと改めて実感し
お茶会のための掃除や草ひきをする時もより気合いを入れて
一応「塵を払え」のイメージでやってはいたのですが(笑)
腰痛に見舞われて以降自力で草ひきができなくなり
これは私的にはお茶会で一番大切なことが
できなくなってしまうことを意味するので
正直亭主としては不完全燃焼のお茶会が続きました。(笑)
しかし最近、腰痛予防研究の成果が実り(?)
再び自力で草ひきができるようになり嬉しい限りです~^^

ま、私がお茶会をやるのは「心と感性を磨く」ためかな?
先輩から「お茶は1に掃除、2に掃除、3、4がなくて、5に掃除よ」
と言われ続けて十余年・・・
亭主としてのお茶会の一番の醍醐味は
やっぱり「掃除」だと思っています。^^
Commented by haijikg7 at 2013-08-16 13:07
Kaguyahimeさん
「1に掃除2に掃除3・4がなくて5に掃除」
ということを心がけて暮らしていると自分自身を良空間におもてなしできますね。
そうすると清々しい気持ちでいられる。
大切なことですね。

心を磨くということはあらゆるものを公平にみることができるかどうか、それ大切だなぁと思います。
自分も含めて人は自ずと傾きがちですもんね。
だから反省と感動を素直に表されるKaguyahimeさんはフラットに生きておられると思い、学ばせていただいてます。

それにしても「不完全燃焼のお茶会」ってありますね。
お掃除(草むしり)が行き届かない、という理由はKaguyahimeさんらしいですね。
私はたくさんの失敗があるのでどれもこれも不完全燃焼の原因になります。不完全燃焼と言うより「穴があったら入りたい」心境というか(笑)

この夏が過ぎたら我が家の整理をして押入れのものを処分しようと思っています。
処分した後のスッキリ感がたまりません!



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