洋梨の恩送り

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北海道の眞理子さんから洋梨を送っていただいた。
「ゼネラル・ラ・クラーク」という品種。
とても大きくて立派な洋梨。
それも、うんとたくさん送ってくださった。

余市という町はフルーツ王国と呼ばれている町で
この洋梨もそこで生まれ育ったとのこと。

はるばる北海道から車や飛行機や列車に乗って大阪まで来てくれたんだなぁ。
大阪では(私が知っている限り)洋梨は栽培されていない。
マーケットに出回っている洋梨は数が少なく小ぶり。
だからこんな大きなのがたくさん目の前にあると
バチでもあたるんじゃないかと思うぐらい贅沢に思う。

部屋中が甘い香りでいっぱいになる。


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さて、こんなにたくさんの洋梨を、どなたにいただいてもらおうか。
独り占めはできない(バチがあたるから)。
実家の母、叔母、兄や兄嫁、姪や甥の顔が浮かぶ。
友人にも・・・。
それでもまだ余りあるほどの実りが芳香を放っている。

そしてふと思い出した。
Kaguyahimeさんがいつもおっしゃっている言葉。

「恩送り」。

自分が受けた恩を与えてくださった方にお返しするのではなく、
他の方にお返しする。
自分が出来る範囲でいい。
自分がもらった徳を他の人に送っていく。
そうしたら世の中には「恩」や「徳」が広がり、繋がっていく。

洋梨のお裾分けは、家族と少しの親戚・友人の分を頂戴して、
後はもっとたくさんの、そう、顔も名前も知らない、縁もゆかりもない人に
少しずつでもいい、多くの方に召し上がっていただきたい、と
私は「ガレリア」さんに託すことにした。

眞理子さんは「生で食べ切れなかったらキャラメリゼにしてもいいし、
冷凍もできるからね」、と教えてくださった。
でも、私のような素人が上手にお料理できるわけもなく、
ましてや美しいコンフィチュールに仕立てて人様にお配りする自信もない。
ならば、お料理のプロに託すのが一番いい。

ガレリアさんにお持ちすると、折りしも開店10周年記念特別コースを企画されているとのこと。
普段から一切の妥協をゆるされない孤高のピッツェリアは
洋梨を見て「お!」と小さく(しかし力強く)驚きのうめき声をもらし、
次に「これは・・・!本当にありがたいです。皆さんに最高の状態で食べていただきましょう」
と快く「恩送り」を引き受けてくださった。

お店の2階を改装して造られた植物工場で、
最適な温度で10周年記念ディナーの日まで追熟し・・・。


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なんと、デザートではなく、前菜にお使いくださいました。
そしてもちろんめっちゃ美味しいく仕立ててくださいました。

私は写真の為に生ハムを広げて中の洋梨を見せましたが、
包んだ生ハムの上からフォークを入れ、洋梨と一緒に口に含んだとき、
わずかに添えられているグラニータのかすかな冷たさに
一瞬「アレ?」と思う間もなく、生ハムの塩分と洋梨の甘さがマッチングする、という仕掛け。

(以下、このお料理の説明。ガレリアさんのブログより抜粋)

   * - *

一品目
《パルマ産切り立て生ハムと北海道産ラフランスのグノッコ》
生ハムは豚のモモ肉ですが、スネからお尻に近い部分の
油の乗った部分など部位により味が異なります。
塩味が入って味が濃いのはスネ、尻の裏は身もやや赤くココも味わい深い。
しかし、上品な洋ナシの味覚にあうのは尻の油の乗った部位です。
豚一匹あたり数百グラムしか取れないこの部分でグノッコをご用意します。
洋ナシは北海道の有名農園(名前忘れた!資料はお店)で作った
国内最高級のものでご用意します。
ちなみにグノッコとはイタリア式饅頭で私が作った言葉です。
ガレリアでしか通用しないのでご注意。

(以上 抜粋終わり)

   * - *

洋梨の品種は「ラ・フランス」ではなく「ゼネラル・ラ・クラーク」だっつーのに、
間違ってますが、これは大阪という風土のせいですので多めにみてください。
(大阪では洋梨=ラ・フランスと呼びます。)

そして農園の名前も失念していますが、これもお忙しいガレリアさんですので
赦してあげてください。
(ガレリア家ではこのとき第2子出産と重なり、第1子さんとクレーマークレーマ状態だったのです)

兎にも角にも、北海道の眞理子さんのご厚意が、
私を通過し、孤高のピッツェリア・ガレリアさんのお陰で
多くの方々に口福をもたらした。

ああ、洋梨の恩送り。
北の大地の実りが、素晴らしい料理人の手によって
多くの人を幸せにした。

また一つ食べ物のが人にとってどんなに幸せを与えるのかということを
教えていただいた出来事でした。
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by haijikg7 | 2011-11-25 03:39 | いただきます | Trackback | Comments(15)
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Commented by mariko2212 at 2011-11-25 07:24
はいじさん
北の実りを素敵な記事にしてくださってありがとう。
「恩送り」。素晴らしい言葉ですね。
元々は、はいじさんから頂いた友情に感謝して送った洋梨たちが、あちらこちらにお分けいただき、誇らしげにしている様子が思い浮かびます。

ガレリアさんのグノッコってどんなだろう?と検索しました。
ヒット数ゼロのこのグノッコは、後でガレリアさんの造語と知りました。
食べることができないのは仕方ないのですが、見ることもできないのかしら?と思っていたところ、大きな写真で拝見できて嬉しいです。
合わせるために生ハムの部位にまで追求されておられるのですね。
その上、イタリアンならではの秘密も見えているような隠れているような。。。イタリア料理人、バンザイです。
きっと素晴らしく美味しく仕上がったことでしょう。
素敵な出来事。
どれだけ洋梨たちが誇らしげだったことでしょう。
これは生産者さんや友人知人にお知らせしなければ!
Commented by m2style at 2011-11-25 09:39
いいですね、幸せの循環ってやつですね。
洋ナシはこちらでは年中スーパーでも売っておりますが、
色はこのような色でなく青いので品種が違うのでしょうね。
それこそラフランスなのかなぁ。
ラフランスのワインを思い出しました。
ピーナッツのくびれに刺激されてます(笑)↓
このところ美尻を目指しておりますのです。
Commented by まいこ at 2011-11-25 15:55 x
またまた、記事を読んで感嘆いたしました~。
恩送り、素敵な言葉、行いですね。
洋梨くんたちも、たくさんの人達に幸せを感じてもらえて、幸せだと思います。
ガレリアさんにまたお伺いしたいと思いました。
Commented by haijikg7 at 2011-11-26 13:13
まりこさん
洋梨をたくさんありがとうございました。
自分ひとりでは(もちろん)食べきれず、
かといって身内だけでいただくのもどうでしょう、と思いました。
大阪ではこんな立派な洋梨を拝見することも稀です。
多くの方々に召し上がっていただきたい!という私の勝手なお願いでこんな風にさせていただきました。
ガレリアさんはこうもおっしゃっていました。
「美味しいというだけではお店には出したくないんですよね。お客様にとって安心で、なおかつ美味しいものとなると今回は洋梨は手に入らないな、とあきらめていたんですよ。これは天からの授かりものですわ。」と。
ガレリアのお客様(この特別コースを召し上がった方は100人を超えたと思います)は美味しいお料理の第一品目にこの洋梨を召し上がり、これからのコースの内容に胸躍られたことと思います。
どうぞ生産者の皆さん、ご友人にも宜しくお伝えください。

ボーノでした♪
Commented by haijikg7 at 2011-11-26 13:20
Tamakoさん
おー。そちらでは年中売っているのですね。
(もしかしたら私の目が節穴で、大阪でも年中・・・・? 汗)
ラフランスのワインとな?
それはそれは芳香な香りでしょうね。
(急にパスタが食べたくなってきました。単純な私)

それよりなにより美尻!とな!
私はまず普通尻を目指して、それからTamakoさんのスタイルを目指したいと思います。
Commented by haijikg7 at 2011-11-26 13:25
まいこさん
洋梨クン、きっとお役を全うしてくれたと思います。
ガレリアさんでこの洋梨クンをいただかれた方々は間違いなく「幸せ」を感じてくださたと思います。

「恩送り」は素晴らしいことですよね。
その恩恵を受けて「送った」私までさらに「幸せ」になるんですものね。
まいこちゃんのこれからは有形無形の「恩送り」の連続ですね。
毎日頑張っているまいこちゃん、応援しています。
Commented by はるこ at 2011-11-26 23:20 x
恩送り、、、あぁ 洋梨の恩送り、なるほどね、、、
いいアイデアですね〜
なんか、横にぐっと広がる感じ、すばらしく豹変して!
前菜に、、、パルマハムと一緒に、、、メロンみたいに!
すばらしい!!
Commented by haijikg7 at 2011-11-27 12:34
はるこさん
美味しいものは少しずつたくさんの人と食べたほうが美味しい。
そんな風に思いました。
そして私が(私ごときが!)いただくようなモノではなかった、そんなぐらい素晴らしい洋梨でしたよ。
きっと生ハムと一緒にいただかれた方々はもしかしたら洋梨の存在を感じなかったかもしれません。
それほどマッチしていたんです。
美味しいものって本当は主張しない、そんな気がします。
Commented by mariko2212 at 2011-11-27 14:49
はいじさん
たくさんの恩送りをありがとう。
白緑さんからコメントをいただきました。
もうビックリです。
はいじさんの慎ましい恩送りが、こうして繋がりを広げるなんて贈り主として思いがけない喜びとなりました。
恩送りは、送ることで幸せを呼び込んでくれるのですね!
Kaguyahimeさんに、よろしくお伝えください。
Commented by Kaguyahimne at 2011-11-29 19:29 x
はいじさん&まりこさん
こんばんは!

「梨の恩送り」拝読しました。^^
もしはいじさんが「梨」のお礼に
大阪名物「冷凍たこやき」(そんなもんあるんかいな~?(笑))
でも送り返しておられたら、そこで話は終わりでしたよね。

私も40年ほど前阿曽の外輪山でプチ遭難した時に
見知らぬ民家で「一宿二飯」のおもてなしを受けたお礼に
何か品物でも送っていたら
数年もしたらきっと忘れていたことでしょう。
でもその時、来る日も来る日も考えて
「このたび受けたご恩は一生かかってお返ししていこう!」と思い
お礼状だけ送ることにしたのでした。
今もあの時の感激は薄れていません。
いえ、年々強くなり、
「恩送り」は今や私のライフワークみたいなものです。^^ つづく



Commented by Kaguyahime at 2011-11-29 19:39 x
10年ほど前だったか、私のこの方法が「ペイ・フォワード」だと指摘され、映画「ペイ・フォワード」を見に行きました。
そのあとも、「恩送り」がTVでも取り上げられたり
今や多くの人に受け入れられていますよね。
ま、もっとも昔はそんなこと意識しなくても
ブータンみたいに相互扶助の精神が強かった訳ですけれどね。
また、よくたとえ話に出てくる地獄と天国のお話
「地獄」は腕より長い箸で各自がうどんを食べている世界
なかなか口には入りませんよね。(笑)
これに対して、「天国」は車座になって隣の人に
うどんを食べさせてあげている世界
これなんかもある意味「恩送り」と言えますかね。
天国と地獄にあるものは「人、箸、うどん」と全く同じなのに
ちょっと「しくみ」が変わるだけで、まさしく「天と地」との差ですよね~!
この世を天国にすることは案外簡単なのかもしれません。(^_-)
そして、はいじさんはお金を1円も使わないで(大笑)
こんなにたくさんの人を幸せにしてしまわれたのだから
そのアイデアと企画力にただただ「脱帽」です~!!(^0^)
Commented by haijikg7 at 2011-12-01 12:12
まりこさん
私も自分の思いだけで、(1円も使わず!!(笑))恩送りをでき、こんないいことはない!と思いました。
私の描いている恩送りのイメージは心を尽くしてくださったことに、自分もいただいたその心を周囲にお返しする、ということです。
今回はまりこさんが私を思い、贈ってくださった心をたくさんの人々に口福の形で振りまけたということですね。
それも素晴らしい洋梨にばっちりのガレリアさんの生ハムですから最高の口福だったと思います。
そして陰陽の理に適っている。
万歳!です。
Commented by haijikg7 at 2011-12-01 12:18
Kaguyahimeさん
Kaguyahimeさんから受けた恩。
遠くお江戸のお茶会にご招待してくださった方の恩。
私は平凡に質素に暮らしている、これといって特技もない小市民です。
こんな私に人様に何か役立つ(あるいは心地よく感じてもらえる)何かができるのかと自問自答したら、それは心をお返しすることしかありませんでした。
ですので1円も使わずに(笑)(笑)心を口福の形に変えて振りまいていただきました。
まったく、私ときたら洋梨はいただいたもので、お料理はプロにお任せ。
自分が使うのは足と頭だけ・・・。
でもいいですよね、ね?(笑)

「この世が」、なんて大風呂敷を広げることはできませんが、
せめて自分の暮らす範囲が「天国度」が増すような世界になればいいなぁと思います。

それにしても「阿曽の外輪山でプチ遭難した」という
Kaguyahimeさんの経歴に再度笑ってしまう(失礼)私です。
Commented by Kaguyahime at 2011-12-02 18:35 x
はいじさん
>ですので1円も使わずに(笑)(笑)・・・・
>自分が使うのは足と頭だけ・・・。
>でもいいですよね、ね?(笑)

は~い、勿論ですとも~^^
だって1円どころか足も頭も使わないで「恩送り」していた
少年を私は知っています。(笑)
学生時代、重症心身障害児施設に行った時のことです。
寝たきりで知能もかなり低いお子さんでしたが
起きている間中、虫歯のないまっ白い歯をむき出しにして
ニコニコしている彼に出会った時
「ああ、この子は何もできないように見えるけれど、この笑顔に
励まされている人は多いだろうな~^^」と感動しました。
40年ほど前のことですが、
今でもあの「笑顔」を鮮明に覚えています!
自称「恩送り」普及員(笑)の私の独断と偏見ですが
「恩送り」はできるだけお金を使わないほうが
より「心」がこもっている気がするのです。(^_-)

>せめて自分の暮らす範囲が「天国度」が増すような世界になればいいなぁと思います。

そうですよね。
まず家族、友人、そして地域・・・と
どんどん広げていきたいものですね。^^


Commented by haijikg7 at 2011-12-05 12:56
Kaguyahimeさん
お金を使わず、心をこめる。
私もお金のかかっていないものの方が神々しいと思う時があります。
人のちょっとした親切にも、
動物の子育ての姿にも、
植物が花咲き、実をつける姿も、
みんな神々しい。
そんな無心から学ぶことだらけですね。


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