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命をいただく

むそう塾のラーメンのおさらいのためにはいくつかの食材を求めなければなりません。
その中の豚肉のお話。

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ラーメンのスープをとり、煮豚にするためによい質の豚肉を求めます。
このおさらいをきっかけにデパートの精肉専門店の方に
豚肉についてのいろいろを教わりました。

教室では「黒豚」を使用したので、最初のおさらいのときは
鹿児島産の黒豚の肩ロースを購入しました。
そして二度、三度とお肉を求めるうちに産地や種類がいくつかあることを知りました。

沖縄のヤンバル豚。
岩手の白金豚(プラチナポーク)。
店頭にはありませんでしたがイベリコ豚も高級で
質がいいとお店の方がおっしゃっていました。

私が何度か求めた鹿児島産の黒豚は「六白」と呼ばれる豚で、
手足、鼻先、尾の6箇所が白いのでそんなふうに言われるようになったのだとか。

またそれぞれ部位によって特色があり、どの種類の豚肉のどの部分を何に使うのか、
たいへん奥の深いお話が聞けました。

お店の方はいつも大きなかたまり肉を見せてくださり、
私はそのお肉の赤身と油脂の比率などを見て決めさせていただきます。

普段はスライスされたりミンチになった状態で見ることばかりなので、
こんな風にかたまり肉を拝見すると
「豚って大きな動物なんだなぁ」と感じ入ります。

そして私たちはその命をいただいているのだと感謝せずにはおれません。

何年か前に「豚がいた教室」という映画を観ました。
とある小学6年生の1クラスが子豚を飼い、
卒業するときにその豚をどうするかという、実話に基づいたお話です。
ペットのように飼っていた豚は決してペットではなく、
自分達はその命を食べている・・・・。

その映画のことも思い出しながら、決してセンチメンタルな気分と、
感謝というひとくくりの言葉で片付けるのは、何か違うような気がしました。

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お料理。

色んな食材をその持ち味、性質を生かして私たちは自分の命を保っています。
肉も魚も野菜も海藻も、どれ一つとってもその代わりになるものはありません。
陰陽の引き合いをわかり、口にも身体にも美味しいお料理をいただく。

食べ物は命の移し替え。
よく考えて作り、よく味わってその命をいただく。

「料理をする時は心の成長の時」とは初女さんの言葉。
「食材も人間と同じく生き物です。人間一人ひとりに個性があるように、
食材の声を聞いて、その命を美味しくいただくことがお料理です」と。

今日もお料理をさせていただけて感謝です。

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by haijikg7 | 2011-06-26 20:30 | 思い


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